塗装実験(インクの密着)

ずいぶんご無沙汰気味ですが、今回は当店のミラー素材にたいする印刷適正を検証したいと思います。
と言いましても、既に運営母体の株式会社テクノワークスでは、MP-TとMP-HCにはそれぞれ適応可能な印刷方法を樹立してます。

基本的にはシルクスクリーン印刷か箔押しのホットスタンプの2択です。

詳しくはまた別途お問合せ下さい。

今回は特に一般の方でも可能な事を考えたいと思います。

そこで今回はスプレー塗料を使った塗装にて、その適正をみてみます。

まず、前段階としてステンシル的なものが欲しいですね。

そこでステンシルをレーザー加工機で自作しちゃいました。

素材はPET樹脂です。

ステンシルフォントでHARIMONYA.COMと出力してます。

次に試験体です。

MP-T(ノーマルミラー)とMP-HC(ハードコートミラー)、これが一目でわかるようにテプラ貼ります。

この鏡面に自作したステンシルシートを貼ってスプレーを塗布します。

余計なところまで塗料がつなかないようにしっかりとマスキングしておきます。

次に今回使うスプレーについて。

まずはホームセンターで気軽に入手可能な油性アクリルラッカーについてです。

実はこのタイプのスプレー、そもそも樹脂には不向きなんですね。

浸透しないしなかなか密着しない。
事前に少し試しましたが、全くダメでした。

プライマーまですると大変なので、この時点で一回候補から外します。

お次は同じくホームセンターでGETとした水性シリコンラッカーです。

水性とあるので一見あまりよく密着しなさそうでしたが、実はプラスチックにも対応しているんです。

一部を除くとありますが、これはPPやPEなど。

PET樹脂もPEの一種なので本当はNGなのかと。

でもMP-Tタイプについてはインクの密着が良いとされる易接着と呼ばれる仕様。

これはダメ元で試す価値ありと判断。

今回はこのスプレーで検証いたします。

早速スプレーをしてみます。

実は軽い気持ちでスプレーしてみましたが、距離や塗布量のコントロールが実に難しい。(汗)

後々結果に表れましたが実はちょっと塗布量が多く、文字が潰れたりにじんだりしました。

思い通り、綺麗にステンシルを表す場合、距離を取って塗布量をコントロールする必要があります。

これはちょっと慣れが要るかも。
もし、どうしてもうまくいかない場合はスプレーではなく筆や刷毛塗りも一つの手かと思います。
今回はせっかくステンシルを自作したので少々強引に試しております。

結果、写真については事前に試した方が文字が潰れず綺麗だった(比較的)のでそちらで撮影しております。

それでは早速結果から。

まずはMP-HC(ハードコートタイプ)から。

はい、これはもう全然ダメですね(汗)

実はスプレーしている最中から「こりゃだめだ」感満載でした。

と言いますのも、塗布した側から塗料をはじいてしまってしっかり塗れている実感がなかったから。

結局24時間常温で乾燥させてみましたが、そもそもはじいて文字の体をなしておりません。

また、残った塗料も爪で触るだけで軽く剥がれてしまいます。

結論から申しますと、MP-HCタイプに関しては、一般の方では塗装や印刷はまず不可能です。

シルクスクリーンでは2液硬化タイプのインクで印刷対応は実現できてます。

どうしてもという場合はご相談お願いいたします。

続きましてはMP-T(ノーマルミラータイプ)

先ほど文字が潰れたり滲んだりと書きましたが、実はMP-Tタイプでの試験体でこれをやらかしちゃいました。

ですのでこの写真は事前に同じ条件で試したものになります。

Mの文字にご注目。

いわゆるクロスカット法とか碁盤テープ試験とか呼ばれる方法です。
印刷や塗装業界で密着の強さを図る簡易的な方法なんです。

塗膜に対しカッターナイフで格子状に切り目をいれ、セロハンテープを貼って勢いよく剥がして様子を観察をします。

密着が悪ければ格子状に塗膜が剥がれセロハンテープにもっていかれます。

検証の結果、カッターの入った箇所こそ塗料も切れますが、格子状の真ん中は一切テープにはついてません。

これはそこそこの密着力があるという事です。

やはり易接着の真価が発揮されたというところでしょうか。

今回の検証結果から申しますと、まずはMP-HCへの塗装や印刷は考えない方がいいという事。

どうしてもMP-HCに印刷したい場合は直接当店までお問い合わせください。

シルクスクリーンで1色から3色程度の単色重ねであれば印刷は可能です。

フルカラーや写真分解刷りには対応しておりません。

MP-T(ノーマルミラー)タイプであれば今回のように水性シリコンスプレーなどを用いればご自身である程度の印刷や塗装が可能になるという事です。

是非、工作やDIY・アート作品作りなどにご活用下さいませ‼